「原爆の図,その濁と清」丸木位里・丸木俊の世界展

長岡市立中央図書館へ行った.
標記の展覧会を見た.

教科書や図版でおなじみだが,やはり本物は違うな.
特に,原爆の図 第二部「火」は,まさに地獄絵図.
恐ろしい光景に立ちすくんだ.

(パンフレットより)
青白く強い光.爆発,圧迫感,熱風
-天にも地にも人類がいまだかつて味わったことのない衝撃.
次の瞬間に火がついた.
めらめらと燃えあがり,広漠たる廃墟の静寂を破って,
ごうごうと燃えていったのでありました.

うつぶせて家の下敷きになったまま失心した人,
気がついてぬけ出ようとして,
紅蓮の炎につつまれていった人びと.
ガラスの破片がざっくりと腹につきささり,
腕がとび,足がころがり,
人びとは倒れ,焼け死んでいきました.

倒れた柱の下敷きになり,こどもを抱いたまま,
母親は逃れ出ようとあせりました.
「早く早く」
「もうだめです」
「子供だけでも」
「いいえ,あなたこそ逃げてください
わたしはこの子と死にます.路頭に迷わすだけですから.」

母と子は助け出そうとする人の手をふりきって,
炎にのまれていきました.

*1945(昭和20)年8月6日,ひろしまの中心地・相生橋付近
(文・丸木 俊)